医療通訳ワークショップ「循環器疾患」開催報告

201927日開催のジュリア先生によるワークショップは、最初に多様性を表すイメージ(イラストや写真)、統計データの中からテーマを選択し、グループ討議をすることから始まりました。3つのグループはそれぞれにテーマを選び討議、その概要を全参加者に発表しました。これは、人前で話す技術を向上する訓練でもあります。討議されたテーマは、「なぜ外国人労働者は日本で増加しているか?」「イスラム教の国々からの患者さんへの対応で、どのようなことに気をつけるか?」そして「ラマダン期間中の薬剤服用について」でした。宗教や文化的多様性は、日本の病院やクリニックでも増えているのが現状です。ジュリア先生は、患者さんへの「何か宗教の観点からのご要望はありますか?」といった質問は、患者さんと医療従事者の双方を安心させます、とアドバイスされました。

ワークショップでは、次に倫理を取り上げました。厚生労働省の医療通訳育成カリキュラムによると、医療チームの一員として医療従事者と共に仕事をするにあたり、医療通訳者は、その倫理、行動原則を理解し、そ の精神を尊重していくことが大切です。カリキュラムは、潜在的な医療通訳者のために作成されていますが、医療通訳者は病院やクリニックが必要な際には、外部エージェントを介して仕事をすることになります。それらの通訳者は院外通訳者であり、サービス提供者です。病院やクリニック内での専門家としての権限はなく、院内のみで通訳者としての責任を負うことになります。

第3部はワークショップの主要活動で、ジュリア先生のチームが作成したワークブックを使用して心臓疾患に焦点をあてました。役に立つ表現やフレーズ「何かお困りのことはありますか?」「時々胸の痛みを感じます」などを練習し、サイトトランスレーション訓練をしました。注意深く聴き、即座に翻訳することは医療通訳の基本であり、継続的な練習と訓練が求められます。参加者は医学専門用語である「動脈硬化」「心筋梗塞」「狭心症」なども復習しました。次いでワークブックのスクリプトに沿って順番に一文ずつ通訳実演をし、ジュリア先生からのアドバイスを受けました。もし患者が手術を受けることになったら、どのような質問をすべきかという点も明確にされました。

まとめとして、先生はわかり易い英語を患者さんには使い、医師には医学専門用語を用いると良いとアドバイスされました。このことは、医療通訳者は専門用語とそれらの意味、さらに簡潔明瞭な英語での言い換えを理解していることを意味します。1時間30分のワークショップは活動満載でした。参加者からは「時間はあっという間に過ぎ、ワークショップは楽しかった」や「討議では他の参加者とのコミュニケーションが取れ、とても良かった」などの感想が寄せられました。講師のジュリア先生、そして全参加者の皆様にお礼申し上げます。

Our Foreign Neighbors We Careは、今後も海外からの訪問者や在留者支援のための、医療およびヘルスケア通訳に関連する事業を継続してまいります。

参考情報

ジュリア先生チームによるオリジナル医療通訳ワークブックは、大阪医療通訳アカデミーの下記情報をご参照ください。

https://osaka-mia.jp/837